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デヴィッド・リンチ【精神的辺境の帝国展】

デヴィッド・リンチというと
どうしても【カルト映画】のイメージ・・・

 

私も学生時代どっぷりとカルト映画にハマったというか
ちょっと風変わりなものを好むのが
とんがってて
センスが良いと思っていたので
あえて
どっぷりハマりに行ってた、と言うべきか

 

デヴィッド・リンチの代表作というと
人それぞれ違うと思うのだけれど
有名なところだとツインピークスをあげる人が多いのではと思う

 

とはいえ
あれを全編ちゃんと見たという人は
どのくらいいるのだろうか・・・(笑)

 

私が最初に出会ったデヴィッド・リンチは
イレイザーヘッドだった

正直
なにがなんだかわからなかった

 

陰鬱
不条理
そしてめちゃくちゃ気色悪い

 

ん?
これは試されてるのか?!

 

デヴィッド・リンチのデビュー作で問題作
んで結局のところ
なんなん?

 

その答え合わせ
【精神的辺境の帝国展】だったのかもしれない

神宮前のGYLEギャラリーで開催中

エンディングを考えて映画を作ったり、誰かに語ってもらうために絵画を描いているのでもなく、自らの潜在的な感覚や意識と出会うために作品制作しているのだ。
私にとって創作活動の表現で重要なことは、悲観的に人間を描写することではなく、人の複雑で神秘的な意識や夢に迫り、日常的に埋没している自らの潜在的意識と出会うことである。
人間の無意識には、一貫して険悪な重低音とも言うべきノイズが流れている。
その重低音に耳を傾けるためには、非日常的な意識が生まれている場所に到達しなければならない。
そのとき見ている夢をいかに描写できるのかということが私にとって不可欠だ。

デヴィッド・リンチの表現は
陰鬱な重低音のような無意識の発露なのだった!

 

そこに描かれる
気色の悪い赤ん坊は
目に見える赤ん坊ではなく
無意識のなかの
なんだかわからない
形の無いものに
姿を与えたもの
【ソレ】であっただけであって
デヴィッド・リンチの感性を通じて
無形を有形にしたもの

 

だから
そこに意味を見出すこと自体が
ナンセンスであって
デヴィッド・リンチが望んでいるものではないのね

 

すべては
デヴィッド・リンチの脳内を有形化したもの

 

そこまでして
描写せざるを得ないパッション
やはり常人とは決定的に違うところなのだと思う

暗く不安を掻き立てる物事に充ちた夢
この世界には二種類の人間がいる・・・
それに気づかず眠る人、
そしてもうひとりはそれを夢見る人

その夢を見る人
共鳴するのがデヴィッド・リンチの映画であり絵画であり写真だったりする

 

デヴィッド・リンチのすごいところは
意識の深いレイヤーまで
ダイブできる集中力
その無形のイメージを
有形にできる表現力だと思う

 

カルト映画と言ってしまえば
キワモノとして片付けられてしまいがちだけど
デヴィッド・リンチの感性に触れる
貴重なヒントになるはず

 

そしてその感性は
私が私自身の意識・無意識のレイヤー
深くつながるときの
スイッチの一つになる

 

少なくとも
デヴィッド・リンチの絵画や写真や映像から惹起される
名前の付けられない暗黒部にうずまく
気持ち悪さを発見してしまう

 

それは【喜怒哀楽の向こう側】という表現がぴったりで
例えば
「宇宙は無限に膨張している」と聞いたときの
とてつもないスケール感と暗黒感(笑)

 

デヴィッド・リンチにとっての「創作活動」とはなにかと問われて答えたのがこれ

世の中は”雲”のようなものであって、”雲”の流れはコントロールできるものではない。
そういうときこそ”雲”に惑わされるのではなく、自分が為すべきことに集中しなければならない。
このことによってはじめて”雲”を越えることができるものと確信している

私の創作活動における考え方はこうだ。
ドーナツを見よ、けっして真ん中の穴(虚無)は見るなと。
つまり、不安に包まれずに、自身の仕事を楽しみ愛し続けることこそが重要なんだ。
そうすると自ずとサポート・システムができてくる

表現は出そうとして出すのではなく
出てしまうもの

 

フィラデルフィアの工業地帯の煙突
割れたガラス
原子力発電所
みずたまり

写真の中の風景は
その構図や被写体がメインではなく
そこを切り取ったデヴィッド・リンチの意識そのものがあふれ出る

 

表現活動によって露わになるのは
デヴィッド・リンチの深い闇、カオスなんだろう

 

深く意識につながっても
私は私のそれを有形にする術を持たない
その手段がストレートに創作活動となる

デヴィッド・リンチの感性に感動する

 

ペンティングと映画にあてはまる、従うべきルールがある
このルールは、とても親密なもので抽象的なものである
なおかつ、無限の可能性を秘めている
ときにこれらのルールは存在しないとさえ思わせるほどだ
しかし確かにルールは存在する
それらのルールは本には書かれていないが、我々の精神と心の中に内在する
行動と決断の直前、あるいは直後に、それらは直感を通してその存在を現す
これらのルールは、すべての表現媒体に適応する
それらに従えば、幸福がもたらされる

―デヴィッド・リンチからのメッセージ-

ここで腑に落ちる

私は常に直感によって行動していて
例えば電車がホームに入ってきても
「これは違う」と直感すると
決して逆らうことなく
急いでいても見送ることにしているのだけれど
生きることすべて
一挙手一投足が表現だとしたら
そこに私のルールが存在していることになる

 

心の平穏はそんな直感に従うことなのだ!

 

やはりそれが正解だったんだね♪

 


GYLEの地下から最上階までの吹き抜けに
そびえたつインスタレーション

 

デヴィッド・リンチ【精神的辺境の帝国展】
2019年4月19日~6月23日 11時~20時
GYLE GALLERY
GYLE3F 渋谷区神宮前5-10-1
入場無料

 

こんなのも開催中みたい♡
【デヴィッド・リンチ 昏い幻想】
2019年5月19日~6月30日
毎週 金土日開館 12時~20時
スクールデレック芸術社会学研究所
渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff a/p/a/r/t2F





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コメント

  1. まどか より:

    みずほさん、巨匠をここまで理解しているとはいやはや!そしてさすがの文章力。あっぱれです!

    • 大和 みずほ より:

      まどかさん、コメントありがとうございます!
      理解というか、私なりの受け取り方がわかってきたってところ♡
      またゆっくりツインピークスを全巻見直してみたい!

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