【英文パターン(2)】柔軟で自由なパターン展開
食わず嫌いだった英文パターンになじんでいただくための、初めの一歩を応援する英文パターンシリーズ第2回目です。
シリーズ第1回はこちら
【英文パターン(1)】はじめの一歩
Contents
はじめに
第1回目では英文パターンに必ず出てくる基本の記号や、編み方について簡単に書きました。
今回は英文パターンの柔軟性のメリットについて書きます。
サイズ展開がすごい
ウエアものの英文パターンを眺めていて、いつも感動するのがサイズ展開の豊富さです。
様々な体型の方が編み物を楽しんでいるわけで、みんながみんな標準的なMサイズというわけではありません。
なのに、日本の編み図の多くは1サイズ展開です。
これはずっと私が不満に感じていたことです。
最近やっと2サイズ展開になっているものもありますが、まだまだ一般的ではないのが現状です。
レッスンにいらっしゃる生徒様も、ウエアを編む方は必ずこのご不満をお持ちです。
希望のサイズは本に載っているものとは違う!
そもそもゲージは人それぞれ違うのでうまくサイズが合わない!
違う糸で編みたい!
本に載っているものよりちょっと丈を短めに(長めに)したい!
などなど。
せっかくの手編みですから、思い通りの作品を編みたいものです。
製図をする方ならお分かりだと思いますが、日本の編み図はかなり手間をかけ、しっかりした理屈で出来上がっています。
原型からパターンを起こし、ゲージをとって割り出しをします。
製図と割り出しがある程度できれば、自分の思うサイズに編み図を修正することができます。
私が生徒様に編み図を書くのもこの方法で作っています。
しかしながら、これはかなりハードルが高い!
経験でなんとなくできてしまう場合もありますが、やっつけ仕事的な作業になってしまいます。
なによりちゃんと仕上がるかどうかはその時の運しだい!では困ります。
そんなご不満はもしかしたら英文パターンで解決できるかもしれません。
ウエアものの英文パターンの多くは少なくとも3サイズ展開(S, M, L)になっています。
4サイズ展開(XS, S, M, L)もあれば、5サイズ展開(XS, S, M, L, XL)もあります。
ゲージを確認してお好みのサイズ展開の目数を確認するだけで、サイズ調整ができるのです。
これだけバリエーションがあると、サンプルのゲージとは違うゲージの糸で編むときも悩まずにすみます。
例えばMサイズの人が、通常中細で編むパターンを並太で編みたいと思ったときには、ゲージを確認してからパターンのSサイズかまたはXSサイズに従って編むことで簡単にサイズ調整ができます。
その逆もしかりです。
今までサイズ調整するには割り出しの知識が必要でしたが、最初からサイズ展開が豊富にあるととても便利なのです。
さて、では実際のパターンではどのように書かれているかを確認しましょう。
多くの場合、最初に注意書きがあります。
Sizes XS(S, M, L, XL)
CO 34(38, 42, 46, 48) sts.
この場合はサイズ展開は5サイズ、作り目はXSサイズは34目、Sサイズは38目、Mサイズは42目、Lサイズは46目、XLサイズは48目というふうに読みます。
パターン中にもこのように( )でくくられた数字が何度も出てきますので、ご自身の編んでいるサイズに合った目数、段数、サイズを確認して編み進めます。
サイズ調整も比較的自由
英文パターンには日本の編み図と同様、そのパターンがどのようなゲージを基準に編まれているかが書いてあります。
基本的にはゲージのあったもの、似たような数字が出るものを用意するのが一番良いのですが、どうしても違う糸で編みたい場合など、ゲージが大きくずれる場合もよくあります。
例えば上記の例でみると、パターンにあった糸が中細で、ご自身の編みたい糸が並太だったとします。
ご希望のサイズがMサイズだった場合、中細で編むのならば作り目は42目で良いですが、中細よりも太い並太だった場合は目数は少なめで良いということになりますので、まずはSサイズの38目で編んでみます。
そこでゲージを編んでみて、サイズが合っていればSサイズの目数で。
それでも大きいようでしたらXSの目数で試し編みをしてみるというように、サイズ調整が簡単にできるのでとても柔軟性があります。
また、サイズによっては目数・段数が大きく変わってくることがあります。
その場合は、パターンの途中で【ここからはSサイズのみ】【ここからはLサイズのみ】のように注意書きがあります。
ご自身の編んでいるサイズに合わせて読む場所が変わってきますので、注意してください。
【All sizes】と書いてあるところはすべてのサイズに共通の部分です。
作品はいくつかのブロックに分割されているので、途中で目数の確認ができるようになっています。
こういうところはとても親切だと思います。
その都度きちんと目数を確認してください。
段数は結構アバウト
目数はサイズやデザインに大きくかかわってくるので、しっかり確認しながら編まなければなりませんが、段数に関しては比較的アバウトなことが多いです。
日本の編み図だと必ず作り目から何段編んでいくつ減目してね!と細かく段数まで指定されますが、英文パターンの場合多くは「15センチまで編んでください」とか「お好みの長さまで編んでください」というように結構自由です。
実際編んでみるとわかりますが、ゲージを編んだときの数字通りに最後まで同じ調子で編めないことが多いです。
きつくなったりゆるくなったり、人の手で作るものなので機械のようにはいきません。
それが手仕事の良さでもありますので、あまり細かいことは気にせずサイズを優先して編み進めると良いと思います。
ただし、前身頃と後ろ身頃を別々に編んでとじはぎをしなければならない場合、身頃の段数は合っていたほうがきれいにしあがります。
左右の袖も同じ長さになったほうが良いので、何段編んだかはきちんとメモしておきましょう。
それぞれに良さがある
便宜上日本の編み図との対比しながら英文パターンの良さを強調してしまいましたが、もちろん編み図の良さもあります。
編み図は全体の設計図ですので、今自分がどこを編んでいて、そこからどこにつながるのか視覚的に捉えやすいです。
文字パターンだけだど、いったい自分がどこの何を編んでいるのかちょっとわからないまま進めていくこともあります。
書いてある通りに進めていくとセーターになったりショールになったりするのが不思議です。
最近は英文パターンにも編み図がついているものも増えました。
逆に、英文パターンに慣れると編み図を英文に翻訳して編むこともあります。
両方できると良い所取りができ、編み物の世界が広がります。
●英文パターンTipsシリーズ
【英文パターン(1)】はじめの一歩
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