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草間彌生美術館『幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ—永遠の無限』

Here, another night comes from trillions light years away : Eternal Infinity

英語のタイトルのほうがなんとなくしっくり来るなぁ♡

 

 

オープン当時の草間彌生美術館は
とんでもない混雑でしたが
最近ちょっと落ち着いてきた気がします
流行りに乗って立ち寄る人が減ってきたかな(笑)

 

本当に海外からのお客さんがとても多い印象です
相変わらず大人気なのですね

 

 

おととし松本市美術館に行って
存分に草間彌生さんの作品を堪能してきましたが
この美術館もまた独特の世界が広がっていました

 

作品を見るたびに思うのですが
草間彌生さんて
本当に山のように作品があるのです
多作も多作!
尽きることがないというか
あふれてあふれて仕方ないくらい
あふれ出てしまうものがあるのだな

 

今回の展示を見て
ひとつのキーワードが浮かびました

「無限」

「Infinity」

これは草間彌生の永遠のテーマとして
初期の作品『Infinity Nets』からの
一貫したモチーフですね

 

ちいさいころから
スキゾフレニアの影響で
他の人には見えないものが見え
他の人には聞こえないものが聞こえ
それを具現化する手段として
絵がつねにあった

 

まだ草間彌生が小さかったころ描いた
おかあさんの肖像画にも
無数の水玉模様が全体に散っている

 

当時はまだ今ほど精神医学が身近でなかったので
ただひたすら
水玉模様や網目模様が見えることが
どうにも説明できなくて
本当に怖かっただろうと思う

 

でも
それをちゃんと目に見える形で
絵画に表現できる才能がずば抜けていた!

 

ただ見えているものを
ただ描くだけでなくて
それをアートに昇華する才能
卓越していたため
若い無名のころから
その才能は注目されていた

 

草間彌生の生い立ちや
アーティストとしての歴史を読むと
世の中って
才能がある人は絶対に無視されないものなのだ
と実感する

 

今は抽象的な作品が多くて
そちらのほうが有名だけど
草間彌生の日本画
本当に美しく
写実的で
デッサンに狂いもないし
質感の表現がとても巧い

 

そうなのだ
基本的な美術の教育を受けているので
王道の絵画も描けるのだ!

 

やはりこういう人は
基本ができていて
そこから独自の世界観を作り上げているのだな

 

比較的若いうちにニューヨークに渡った草間彌生だけど
日本よりもニューヨークで活躍していたというのが
草間彌生の表現の源泉に
影響を大いに及ぼしたと思う

 

一貫した
Infinityの概念

草間彌生の表現には
それが欠かせない

 

「マンハッタン自殺未遂常習犯」の歌

抗鬱剤飲んで去ってしまう
錯角の扉撃ち破る
花の煩悶のなかいまは果てなく
天国への階段優雅さに胸果ててしまう
呼んでいるきっと孤空の碧さ透けて
幻覚の影抱擁きわきあがる雲の色
芙蓉いろ食べてみて散るなみだの音
わたしは石になってしまう
時永遠でなく自殺てる現在は

草間彌生

病気の影響で
まったく体が動かない時期
その逆に
創作活動が止まらない時期
交互にやってきて
いざ創作に入ると
寝食忘れて
ただひたすら描きまくるという

 

筆になんの迷いもなく
その線はさいしょからそこにあったかのように
その色はさいしょからそこにあったかのように
驚異的なスピードで絵画がしあがっていくらしい

 

一日で何枚も描き続けるパワーは
「生み出す」のではなく
「ただあふれ出てしまう」のだろう

 

インスタレーション「天国への梯子」
とくにInfinityを感じさせる
美しくて不思議な魅力のある作品だった

 

暗い小部屋の天井と床に丸い鏡が合わせてあって
そこに水玉模様の光る梯子がかかっている

 

合わせ鏡になっているので
上にも無限に
下にも無限に
ただただ光る梯子が
永遠につながっている!

 

 

色が変わって
見え方も変わる

私はこれが大好きになってしまって
いつまでも見ていたい気分になってしまう

 

 

草間彌生の展示には
鏡の部屋はいつもあって

この「天国への梯子」のように
上下の合わせ鏡だけでなく
四方八方が鏡に囲まれていて
すべての方向が合わせ鏡になっている展示
これまた不思議な気分にさせられる

 

なによりも
草間作品の中に
自分がいるという
体験型のインスタレーションというのが
感動的だ!

 

「南瓜について」

南瓜は愛嬌があって
すばらしく野性的でユーモラスの雰囲気が
人々の心をとらえてやまない
わたし、南瓜大好きなの
南瓜は私にとって幼い頃より心の故郷として
無限大の精神性をたずさえて
世界中の人類たちの平和と人間賛美に寄与して
心を安らかにしてくれるのだ。
南瓜は私にとって心の中の
詩的な平和をもたらしてくる。
南瓜は語りかけてくれるのだ。
南瓜、南瓜、南瓜、
わたしの心の神聖な佇まいをもって
世界の全人類が生きている生への歓喜の根元なのだ
南瓜のために私は生き抜いているのだ。

草間彌生

 

南瓜のモチーフ
超有名な作品ひとつ

 

草間彌生にとって
かぼちゃは平和の象徴
喜びの根元

 

ユーモラスなその形に
こだわり続けた理由がわかる

 

草間彌生からあふれ出るものは
永遠であり
世界の平和であり
無限につづくもの

作品に共通するそういったものが
世界中の人にダイレクトに刺さるので
これほどまでに惹きつけられるんだろう

 

草間彌生の作品を見て
陰鬱な気分になることはない
常に自分の身の回りにおいておきたい
愛らしいモチーフばかりだ

 

戦いのあとで宇宙の果てで死にたい

すべての人々に愛はとこしえと叫びつづけてきたわたし
そしていつも生きることに悩みつづけ
芸術の求道の旗をふりつづけてきた。
生まれいでてからこのかたそして
今迄走りつづけてきたのだった。
世界という檜舞台でのいくたびかの
昨日の衣を常に新しい衣に脱皮しながら
膨大な作品群を造りつづけてきた
このわたしの「道程」は、真夜中の灯の下で
ねむれぬ幾夜中のしじまに励ましてくれる
そしてもっともっと愛を世に叫び刻印を残したい。
世界の争いや戦争やテロや貧富の泥沼をのりこえることを
心から願って止まない。
人々が平和で暮らせるようにと
わたしの願いはつきることもない。
芸術の力をもって斗っていきたいのだ。
芸術の心のかぎりの求道のいしづえをもって
人々に仕え社会に貢献したい。
そのゆきつく先は、わたしはやがて老いて
宇宙の広々とした天国の階段をのぼりつめて
白雲がしずかにつづくしとねで
わたしは自我をはなれ
深々とした青い空のしとねで、
ゆったりとねむりつづけるだろう。
そして地球にサヨナラを伝えるのだ。

草間彌生

草間彌生は愛のあふれる人
たくさんの作品から
ものすごいエネルギー
伝わってくる

 

本当に幸せで
美しい世界が
全ての作品にあふれている!

 


 

ゆったりと2時間近くかけて
作品を見て感じて
更にさらに草間彌生が大好きになって
「ああ、本当にここに来てよかったな」
と思う
素晴らしい美術館だ♡

 

どうしても我慢できなかったもの

かぼちゃのがま口♡

ちょうど小銭入れが壊れてしまって
がま口を探していたところに
この出会い!
これは草間彌生美術館限定みたいよ♡

 

こんなかわいい巾着袋に入ってます♡

 


 

『幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ――永遠の無限』

2019/4/4から8/31まで

詳しい内容&予約は
草間彌生美術館のWebからどうぞ♪
草間彌生美術館





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