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よもやま

ニッターのための図鑑

私たちが日ごろ使っている毛糸。
素材の名前は知っていても
その素材ってどんな特性があって
どんな動物からできているのか
手編みに使う主な素材について
私の興味で調べてみました。

 

Contents

メリノウール


ウールの中でも最高級のもので、メリノ種の羊からとれる。
大半がオーストラリア産。
繊維が特に細くて柔らかく、肌触りが良い。
羊毛は縮れていて 、毛が絡みあっているので、保温効果が高く伸縮性がある。
水をはじく性質でありながら、湿気をよく吸収する。
弾力性があり、回復力が強いため、型崩れしにくい。
染色性がよいが、毛玉になりやすい。フェルト化する。

オーストラリアン・ウール・イノベーション(AWI)では、以下の定義をしている。
「メリノウール」を100%使用した製品を「ピュアメリノウール」
「メリノウール」100%かつ繊維の細さが19.5マイクロン以下の高品質ウールを使用した製品を「メリノエクストラファイン」
「メリノウール」100%かつ繊維の細さが17.5マイクロン以下の超高品質ウールを使用した製品を「メリノウルトラファイン」

 

ラムウール


生後六,七か月以内の子羊から刈り取った,柔らかい羊毛。
ラムウールの中でも最高峰といわれるジーロンラムウールとは、
オーストラリアのジーロンで育てられた純血種の生後6ヶ月ころの仔羊の羊毛。
繊維が細いのでウールよりもチクチク感が少ない。
繊維の縮れ(クリンプ)が多く、空気を含みあたたかい。

 

カシミヤ


カシミヤ山羊からとれる高級素材。
中国・モンゴル・イランなど、寒暑の厳しい山岳地帯に生育するカシミヤ山羊の柔毛(うぶ毛)を原料としている。
上品な光沢感、独特のヌメリ感があり、「繊維の宝石」といわれている。
1頭のカシミヤ山羊からとれる柔毛は150~200g。
セーター1枚には約4頭分、コート1枚には約30頭分の原毛が必要。
繊維が細く(直径14.5~16.5ミクロン)、柔らかく軽いのが特徴。

 

アルパカ

毛を刈り取ったあとのアルパカはバランスが面白い

ラクダ科のラマ属に属する。産地の大半はペルー。
アルパカの毛は「ファカヤ」と「スリ」の2種類に分けられ、どちらもシルクのようななめらかな肌触り。
「ファカヤ」は、ふわふわ・もこもこのアルパカの見た目のような毛。
「スリ」はファカヤに比べて光沢があり、毛足が長い。
ベビーアルパカは、生まれて初めて刈り取られる毛のことで、
より細くシルキーな手触りが特徴。
毛の色は細かく分けると25種類。しかし白以外の毛は染色がしづらい。
カシミヤに比べる繊維は太く、ウールよりも保温性が高く丈夫。
毛の内側に空洞があり暖かい空気が溜まる為、非常に保温性に優れている。
元々直毛であることと、表面にスケール(うろこ)が少なく、
こすれても繊維が絡みにくいため毛玉になりにくい。

 

アンゴラ


アンゴラうさぎからとれる高級な獣毛。
繊維が長く、やわらかでなめらかな風合いは、豪華な雰囲気。
世界総生産量の約95%が中国産。
繊維が細く、保温性に優れている。
繊維組織がウロコ状になっていないため、表面がなめらかで毛が滑って抜けやすい。
光沢があるため、パステルカラーの染色が美しい。
しかしながら、アンゴラウサギの毛を刈る作業が残酷すぎるということで
大手アパレル企業は倫理的観点からアンゴラを使用した製品の販売を中止する動きが盛んになっている。

 

アンゴラヤギ(モヘヤ)


「アンゴラ」と呼ばれるものはアンゴラウサギの毛であり、
アンゴラヤギの毛は【モヘヤ】と呼ばれる。
主要産地はトルコ、南アメリカ、アメリカテキサス州。
生糸のような光沢をもち、毛足が長く通気性がよく、繊維の腰が強い利点がある。
逆に欠点は抜けやすく、静電気が起きやすい。
生後1年未満の子山羊から刈り取った毛は、「キッドモヘヤ」と呼ばれ、
モヘヤグレードの中で最も細く柔らかなモヘヤとして特に珍重される。
モヘヤ繊維は、ウール繊維と違って、キューティクルのうろこが逆立っておらず、
繊維に対して限りなく平らでなめらかなため、ちくちく感がない。
モヘヤの生産量は、平均して世界の天然繊維生産量の0.05%以下と極めて希少な繊維。
この為、アンゴラヤギのモヘアだけで製品を作る事は極めてまれで、通常は他の獣毛と混合され使用される。

 

ヤク


ウシ目ウシ科ウシ属に分類される偶蹄類。
おもに中国エリアの高原の一部と、チベットに生息。
標高4000~6000メートルの高地に生息しているため「空にもっとも近い繊維」とも言われている。
しっとりとしたなめらかなヤクは、カシミヤに似たラグジュアリーな素材。
また、細く長い繊維は光沢があり、弾力性が強いのでシワになりにくい特徴がある。
摩擦にも強い性質があるヤクの毛は毛玉にもなりにくい。
ウールのようなチクチク感も無いため、ウールアレルギーがある方や獣毛混ニットが苦手な方にも向いている。

 

キャメル(ラクダ)


キャメル(ラクダ)は中国北西部(内蒙古)、モンゴル、チベット、中近東にわたる
中央アジアの砂漠地帯に生息する双峰種(フタコブラクダ)の毛。
キャメルの主産地の中でも中国内蒙古自治区オルドス地域西部の砂漠に囲まれた
アラシャン(阿拉善)地方とアルタイ(新疆ウイグル自治区)は、
最も繊度の細い毛が取れる優良産地として有名。
この地方で採れるキャメル整毛は、繊度が16~18ミクロン前半と極めて細く
しかも上品な淡い色合いや柔らかさ、独特のヌメリ感があり
カシミヤにも匹敵する風合いを持っている。
毛質はカシミヤよりも太く、コシがある。
産毛量は、中国で約100万キロ、モンゴルで150万キロ、その他50万キロ、合計300万キロで
ウールの産毛量に比べ0.1%にすぎず、カシミヤと比べても約5分の1の量に過ぎない。

 

おわりに

今回まとめたのは動物編です。普段は糸の状態で見ていますが
動物の姿で見てみるとどれもこれも可愛い!
こんな姿を知ったら、さらに毛糸を大切に丁寧に扱いたくなりますね。

これ以外にも「こんなのもあるよ!」という素材があったらお知らせください。
順次追加したいと思います。

植物系の素材編もゆっくりまとめてみます。

 

 





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コメント

  1. トモ より:

    こんにちは^^
    楽しく見させていただきました。

    キャメル、ラクダですね、をお願い致します。

    • 大和 みずほ より:

      コメントありがとうございます!
      そうでした!キャメルを忘れていました。
      前にキャメルの記事を書いたのに
      図鑑に乗せるのをうっかりしてました。
      さっそく追加します。

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